表題(表示)登記とは

例えば、建物が新築されると、今までは存在しなかった不動産が生まれることになるため、新たな登記記録を作成する必要があります。赤ちゃんの出生届みたいなものですね。この登記のことを表題登記といい、登記記録のうち「表題部」の登記がなされることになります。登記記録がまだ電子化されていなかったころは、表示登記と呼ばれていました。

イメージとしては、表題部が登記されることによって権利を入れる箱ができ、その後、その箱に権利を入れていくといった感じです。次のアイコンでいうと、家にあたるのが「表題登記」、家の中の人にあたるのが「権利の登記」です。例えが分かりづらいですかね?

表題部には、不動産の物理的な情報が記録されます。具体的には次の事項です。

表題部記録事項
土地の登記記録表題部建物の登記記録表題部
所在所在
地番家屋番号
地目種類
地積構造・床面積
原因原因
所有者所有者

表題部の所有者は、所有者ではありますが、仮の名義人みたいなものであり、所有権保存登記がなされ所有者の氏名住所が登記されると、抹消されてしまいます。

建物が新築されて新しく不動産ができるのは理解できるけど、土地が新しく不動産になることがあるの?と不思議に感じるかもしれませんが、例えば、埋立地を造成したときには、新たに土地の登記記録を作成する必要があります。また、国有地では登記記録がない場合も多く、国有地の払い下げなどをする場合も、新たに土地の登記記録を作成することがあります。

この表題登記を専門としているのが土地家屋調査士です。不動産の物理的な状況を登記するので、測量をやるせいなのか、士業の中でもガテン系な人が多い気がします。司法書士と土地家屋調査士は、ひとつの登記記録を一緒に作り上げる間柄なので、両方の資格を有している兼業者も多数います。当職も、独立開業する前は、司法書士と土地家屋調査士を兼業している事務所で補助者やってました。

土地家屋調査士についてご紹介できるほどの知識がないので、興味のあられる方は、日本土地家屋調査士会連合会のウェブサイトでどうぞ。

日本土地家屋調査士会連合会
日本土地家屋調査士会連合会WebSite
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